練習試合の最後は日曜日に清和高校サッカー部との練習試合
私が不定期で指導をしているチームで、先日のインターハイ県大会でベスト8に入った今サッカーを強化しているチームです。
今回は1・2年生主体のチームとの試合
最初の1本目が0-1だったんですけど、全く「細部」にこだわっていないプレーの連続で私もイライラ
ボールの置き所
1歩のポジショニング
1つのコミュニケーション・コーチング
1秒の準備の遅さ・判断の遅さ・プレースピードの遅さ
1歩の寄せ
などなどやれていないんじゃなくて「やろうとしていない」ところが透けて見えてしまい、ハーフタイムに説教
あまりの出来に「これは自分が中に入って後ろから観察しながら見て指摘してあげた方が解決できるかな」と、思い私がGKをやることにしました。もちろん「GKの育成」も兼ねて。
私がグラッソの選手たちの前で高校生を相手に、もう練習はしていないんですが「本気」でプレーするのは恐らく初めてなんじゃないかな?
今のGKのかずのすけ、かけるはあまりにも出来ないことが多すぎる。
一つ一つのプレーに「流れ」がなく、プツンとプレーが切れる状態
1つ良いプレー出来てもそれが続かない。それは明らかに「基礎」スキル不足が原因。取り組む姿勢も甘い。
GKなんて唯一1つもミスが出来ないポジション
そこに対してのこだわりを持ってトレーニングしていない。それは「日常生活」もそうしていないからでしょう。
私の「本気」のプレーを見て、少しでも盗んでほしいと思ってやりましたね。
練習していなくても、高校生くらいであれば私は負けませんから(笑)
それくらい学生時代から自分を追い込んで積み上げて結果を残し続けてきたんですから。負けるわけがないんです。
他の人と積み上げ方が「違う」から。
実際にポジションに入ると細かいところが全く出来ていないことがハッキリわかりました。
そこで的確なタイミングに具体的でシンプルな言葉で伝えるのが「コーチング」の質
ボールウォッチャーになっているし、相手・味方・ボール状況によってマークを意識するのかスペースを埋めることを意識するのかがハッキリしていなくて中途半端
そこを「明確」にして守備の構築
特にサイドのマークの付き方、役割
ボールがサイドにあるときの中の対応の仕方とコーチングを徹底的に伝えました。
すると、どうなりましたか?シュートを打たれても枠に飛んでこない。枠に飛んできても私の正面。
以前、高校2年生の時のインターハイ予選前にいきなり何もしていないのに膝に激痛が走り
北海道の名医に診てもらったら「これ、手術しないと治らないよ」と言われ、インターハイまで時間が無かったんですが、地区予選は自分がいなくても上がってくれる
北海道大会までに治せば良いとの思いで手術を決断
手術をして次の日からリハビリ開始
無理矢理動かない膝を動かし激痛で泣きながら必死にリハビリしたのを今でも覚えています。
リハビリ後は無理矢理膝を動かしているので膝に血が溜まるんですね。
それを注射で抜く作業それも激痛なんですよね。
そりゃそうですよね、腕とかに注射されるだけでも痛いんだから。幼児の時はお尻に注射されて泣いていたんだから(笑)
最初は太い注射3本分
だんだん量は少なくなっていって3日で抜糸
普通はあり得ないんですよね。3日で抜糸って。手術した傷口がくっつき切れていないので、開くリスクもありました。
でも、お構いなし(笑)1週間で退院
そして、次の週にインターハイ地区予選が始まる。退院して練習に出たら監督室に呼ばれ
「お願いだから立ってるだけで良いから試合に出てくれないか?」って言われましたね。
めちゃくちゃ怖い監督だったんですけど、そう言うということはよっぽど信頼されていたんでしょうね。
膝が動かない状態で試合に出場。そんな状態で失点0で優勝
そんな経験をしていますから。
話を戻せば「立っているだけで良いから試合に出てくれないか」という意味がわかったと思います。
人を上手く動かし相手の攻撃を読み予測して早くにその「準備」する
その作業があるから、最後のシュートで守りやすくなる。そして、立っているのがスーパーなGKであれば簡単にシュートを打ってこないしもっと端を狙わないと点なんて取れない。
でも、端でもスーパーなGKであれば防いでしまう。それを相手に植え付けさせて「あのGKなら打っても入らないよ」と思わせたら常に「先手」取れるんです。
ミスしていたら先手なんて一生取れない。それを体現しました。
でた時間は「無失点」それどころか服が「汚れていない」状態で無失点
相手は高校生
うちはコーチ2人入ってあとは小中学生なのに「結果」が出るんです。
キーパーの最大の目標は服を汚さず、シュート0で無失点に抑えること
これが究極の目標。それを体現できて良かったです。
それだけではなく、攻撃でもGKが起点になる。私の一つ一つのフィードは「意味」があり、相手にとってはすべて「嫌」な配球をしています。
最終ラインが高ければ背後に1本のロングボールで得点に結びつける
今で言えばアリソンやエデルソンみたいなプレーが私のプレースタイル
それは小学生から武器としているもの。
実際、アシスト3本くらい出来るくらいのパスを送って決定機を作ったと思います。さらには、私が入ってから後ろが安定して、前でのプレッシャーも良くなり前でボールを奪えるようになって2得点GK1人入るだけでこれだけ内容が変わる。
日本はそれがわかっていない。ヨーロッパでは「花形」なポジションなんですから。
そこに気づかないと世界と遅れを取ってしまうし、一生追いつけないでしょう。
世界のトップトップでも先日のチャンピオンズリーグでレアルマドリードのクルトワのプレーがなければあの勝利・優勝は無かったわけですから。そんなこんなでプレーしていたら「事件」というか、ありえないことが起こりました。
4本目、相手の監督さんが用事で抜け出して試合を行っていました。当然、真剣に皆プレーしています。
その中で高校生たちが相手ゴール前で悪い意味で熱くなっていました。
うちのコーチが倒されてそれはPKにはならなかったんですが(ジャッジは正しい)
そのプレーで高校生たちが煽るリスペクトを欠いた言葉をかけてきたんです。それがすべての始まりです。
そこから全員ではないですが、舐め腐ったプレーをし出して
終いにはボールを奪われて中学生に「死角」から腕で全身を使って後ろから突き飛ばす。そこで、私の堪忍袋の緒が切れました。
まずはその突き飛ばした選手に詰め寄り高校生たちに説教。最後は何もその事に対して指摘しなかった相手のコーチたちに説教
我々は「真剣に」サッカーに取り組んでいます。
自分と毎日向き合う作業をしてレベルアップを図っています。
そして、「人間性・人間力」を高めるための作業をしています。「リスペクト」すること「礼」を尽くすことはサッカー選手としてだけではなく「人」として当たり前のことです。彼らの行いはリスペクトのかけらも無い。
舐め腐っている。そして、それを指摘しない指導者のクオリティー
久しぶりにあんなに怒りましたね。うちのコーチ陣が止めに来てくれましたけど、お構いなし。
あのタイミングで分からせなかったら選手たちやチームは不幸になりますよ。
ましてや高校生なんだから、それくらいわかっていないとアカンでしょ。それをその場で指摘しない指導者もどうかしてる。
ベンチに座ってサッカーだけ教えていればいいんですか?違うでしょ。サッカー選手の前に「人」としてやらなければいけないこと
やってはいけないことを指導しないと「指導者」じゃないでしょ。学校の部活なんだから、「教育」もするのが仕事でしょ?
先生じゃないとか立場が違うとか全く通用しない。
ダメなものは「ダメ」って言わないと。それが「大人」の責任でしょ?
じゃ、私が元プロサッカー選手であり、相手は高校生
要は私からしたら「格下」なわけです。
それでも、私がリスペクトに欠けること、リスペクトに欠けるプレーをしたでしょうか?していません。
相手をリスペクトし、サッカーをリスペクトしているから、そんな無駄なことをしない。
いつでも、小学生だろうが中学生だろうが高校生だろうが、誰が相手でも「真剣」にサッカーに向き合っています。
もっと言えば、彼らは「学校」という看板を背負っているんです。
たしかにサッカー部を強化すると宣言して1年目で県ベスト8に行ったのは素晴らしい。
だったら県を代表するようなチームになるのであればそれなりのことをしていかないと。
佐賀を代表する偉人、柔道の古賀稔彦さんがそれを見たら私と同じ気持ちになるでしょう。
ましてや、グラッソの小中学生達やその保護者の皆さんも見ているんです。
「見られている」意識もない。そんな態度を取られて、小中学生達や親が見てそんな組織・チームに誰が行き・行かせますか?
チームや組織は「底辺」の底上げ、スキルアップがとても大切です。トップだけ強化してサッカー選手として、人としてスキルアップすれば良い問題ではない。
むしろ「逆」です。グラッソが何で成果を上げているのか。それの「逆」が出来ているから。
入ったばかりのサッカー初めてばっかりの子が一生懸命取り組んで成果を上げているから上もやらなきゃいけない
私はよく「大浴場理論」と言っています。
熱いお風呂に入れば皆身体が温まり、ぬるま湯に浸かれば皆身体が冷える。
要は指導者側や選手リーダーたちがお湯を入れ、お湯の温度調節の役割
お風呂に入るのが選手たち
指導者や選手リーダー、強豪高校の練習やスペインなどに行った選手たちがお湯の温度を高めて、熱いお風呂に入る皆が温まることによって意識が高くなってやらなくてはならない状況になるということ。
「意識」「取り組み方」「取り組む姿勢」の所です。温度調節も大切。
暑すぎたらやけどしてしまうので、その子に合った指導をしていかなければならない。
そして良い「競争」が生まれてきているからなんです。そこが出来ていなければこうなります。
先日、グラッソの中学生2名が冬の全国高校選手権で全国準優勝して今回のインターハイ予選で優勝し、九州大会も優勝した熊本・大津高校の練習に参加してきました。
これは中学2年生なおきの練習参加のレポートを私にくれました。
練習の反省
・皆さんのプレースピードが速かった。フリーだと思ってたら後ろからついてきていた。清和とか龍谷とは比べ物にならないほどだった。
自分はプレースピードが速いとわかっているのに、ボールが来てから考えてしまった。
だからこそ首を振って情報を得ることが大事だと思った。
・パスもとても細部までこだわってやってた。少しバウンドしたらすぐ言われるし、トラップも前に運ぶのではなく、足元に止めないと行けなかった。
ゲームでは決めないといけないのが2本あった。1本は、決めたら勝っていたのでとても悔しかった。
自分は、パスコンなどの基礎のレベルが低い。首を振る回数が少ない。
シュートの質が低い。プレースピードが遅い事などが明確になった。
ので、たくさん積み上げることが大事だということがよりいっそうわかった。
礼儀・挨拶・マナーについては、自分たちが来てあったとたん挨拶をくださいました。
グラッソでも浸透させていきたいです。
午後の練習の反省
最初はトップとの練習だった。午前の練習とは違った。まず声が揃っていて見ていて圧を感じた。
パス回しでもぎりぎりで判断が変えれてちゃんと通る。上は凄かった。シュート練習でもコースを良くスピードもあり、差を感じた。グラウンド状態が結構悪かったけどできていた。自分も頑張らなければならない。1対1でも球際が激しくバチバチだった。自分は、しかけてもすぐ取られてしまった。
最後に2ndとのゲームだった。ボールに対する執着心がすごかった。水たまりだろうがなんだろうがガツンといっていた。これは、グラッソにはないものだった。はやき君からハーフウェーラインぐらいでボールを奪い左サイドにパスをしたのがアシストになった。このプレイは自分なりに良いプレーができたと思う。でもシュートを2本打ったが、入らなかった。1本目は味方のシュートをキーパーが弾いたところをつめたが、ブロックにいられた。2本目はペナ付近でボールを受け前を向きパスを出そうとしだがきってきたのでシュートコースが空き打ったが、地蹴ってしまいスピードもなく正面にいってしまった。
今日はいい経験ができた。自分に足りないものがはっきりわかったし、日本のトップのレベルを知れた。この経験を活かして、自分に厳しく、
チームにもいい刺激を与えていきたい。
U-18日本代表の小林俊英さんとしゃべれて、一緒にプレイ出来て嬉しかった。
大津の方々は皆さん優しく、プレイも教えてくださり身になった。
これを自分もこれからしたい。
これが「結果」です。
こういうことを高校生たちが主体となって取り組んで実行してくれるから
このチームに憧れ
選手に憧れ
志と覚悟を持って
そのチーム・学校に行くんです。
その「道理」がわかっていない。
グラッソは愛されるチーム・愛される選手の育成を掲げています。これは相手とは「真逆」です。
私は言いたいことを言わせてもらいました。
彼らに良くなってもらいたいから。
指導者のスキルアップをしてもらいたいから。
名指導者の風間八宏さんが言っています「指導者は資格では無く、資質だ」と。
「スペシャルな指導者は起きたことを映像化でき、それを言語化でき、指導者自らがデモンストレーションできる指導者がスペシャルな指導者」だと。
読んで字のごとく方向性を「指」して「導」いて行かないと。
少しでも指導に関わっている私から「本気」で伝えさせていただきました。
このことが1ミリでも活かしてくれると私も嬉しいです。